ごんべのうた

五行歌もどきや駄句だくなどの倉庫です。
よろしかったらご笑覧ください。

1082-f01

海を見ていると
潮の香をかぐと
落ち着くのは
この身体のなかに
漁師の血が流れているせいなのか

船酔いにはとことん弱い
漁師の曾々孫は
ゆらり、ゆらり、ゆらり
ひさしぶりに大海原に出た夢を観て
ちょっとだけ血が騒いだ


夕景

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夕日は
毎日
沈むけれど
おなじ夕景を
みることはない 
 

こころ

 りっしんべんは
 心なのだね
 快いっていう
 情けでもある
 それから怪でもある

 したごころは
 思うだし
 恋だし
 耳赤くしての
 恥ずかしィでもある

 若い心でいると
 惹かれる
 囲ってしまうと
 悶える
 心の置き場所なんだ

 偲んだり
 忍んだり
 悔やんだり
 恨んだり
 ぜんぶ心なんだなァ

9月の駄句だく

静けさや指先とまる秋の蝶

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秋時雨ここから先が濡れたみち


 

10月の駄句だく

心なき風に乱れし酔芙蓉

稻はずに寄っかかってる古案山子

斜め日にえぬころぐさの黄金色

霧のなか通りぬけしに先も霧

赤とんぼ翅忙しく宙にゐる

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9月の駄句だく

秋の野や出水のあとの濁川

雨匂う窓辺の風や秋涼し

紺碧のグラデーションを鳥渡る

曼珠沙華の赤竹林染めにけり

秋桜を離れた蝶が風に乗る

テーブルに落花生ありて夜が更ける

石仏の足許紅し曼珠沙華

ものみなが釣瓶落としのシルエット

新しき歳時記買いし汀女の忌

うすやみに月を探すやそぞろ寒

子らの声広場にあふれ秋彼岸

野良猫がゆくて横切る秋の園

花の野に寄り添う人がゐて愉し

空澄みて揚羽もつれし彼岸花

もの悲し音もなく降る秋の雨

きちきちが慌てて歩むさきへとぶ

見下ろせば湖面残照青みかん

5月の駄句だく

独り身も八歳となりぬ青紅葉

朝曇りラジオ聞きつつパンを焼く

ひとひらの竹落ち葉して閑かなり

束の間の富士の姿や五月晴れ

青嵐去りし夜明けに富士見ゆる

あおあらし手許の暗さに本閉じる

朝凪やものみな染めて日が昇る

五月雨の音なきままに道濡らす

葉の裏の日差しもやさし夏に入る

そよ風が枝先揺らし夏立ちぬ

はつらつと物みな新た夏立ちて

目覚めれば五月の雨は音もなく

東天にふと気がつけば夏の月

さくらんぼ二粒映えて若葉萌ゆ

艶やかなガーベラ咲いて五月入る
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